結露は冬の代名詞だからしょうがない?畳や布団をカビから守るためのメカニズムと対策とは
寒い冬の朝、布団から起き上がって窓を開けるとサッシに水滴がビッシリで、畳や布団がカビにならないか心配になったりもします。
結露があるとカビも同時に繁殖し始め畳や布団だけではなく、家全体に広がり健康被害を及ぼしている可能性があります。
そこで今回は結露のメカニズムとカビの被害を正しく知っていただくためにまとめてみましたので、最後までお読みいただければ幸いです。
畳の部屋に起こる結露のメカニズムとは?知っていれば布団で快適睡眠
畳の部屋に限らず、条件さえ整えば結露はどこにでも発生してしまいます。空気中には非常に小さい粒子で肉眼では見ることができない水蒸気が含まれていて、1㎥あたり2~30gほどになります。
空気は温度によって含むことができる水蒸気の量が変化して、温度が高いほど水蒸気を多く含む性質があります。このように温度で含むことができる水蒸気の限界量を飽和水蒸気量と言います。
結露とはザックリいうと「空気中に隠れている水蒸気が冷やされて再び液化した水」のことです。冷たい飲み物を入れたコップに水滴がつくのも結露です。暖かく湿った空気が冷えたコップに接触することで温度が下がり、飽和水蒸気量を超えた分だけが結露として付着している訳です。
これと同じように外気温が低いのに暖房によって室内だけが暖かく、さらに湿度が高いと冷たい外気に影響されやすい壁や窓の内側に水滴がついてしまいます。
結露を発生させないためには空気が接触する物質の温度を露点温度(注1)以下にならないようにすることが必要となります。
(注1)温度が低下すると空気中に含まれている水蒸気の一部が水滴となり目に見えるようになる。この凝縮が始まる温度を露点温度と呼ぶ。
結露で畳にカビを生えなくさせるのは4大要素の水分に対策のヒントあり!?
結露があるお部屋は湿気がたっぷりあり、そのまま放置しているとアッというまにカビが発生してしまいます。カビの繁殖条件は酸素・温度・養分・水分ですが、カビ対策はこのうちの一つでも排除することができれば可能となります。
まずはじめに酸素ですが、私たちも酸素が必要となりますので排除するのは現実的ではありません。カビは真空などでも死滅する訳でもなく、酸素を与えると再び増殖してしまいます。
温度に関しても60℃以上で加熱するとカビは死滅しますが、120℃以上で長時間加熱しないと死滅しないカビも存在します。住宅内部で高温処理は難しいと言えるでしょう。
養分はこまめに掃除をしていれば大丈夫と思われがちですが、カビは色々な物質を養分として利用することができます。住宅のあらゆる物質を分解して養分にできるので、排除することは不可能に近いと思います。
最後に水分ですが、カビも微生物であり生きるために水分は必要です。湿度が下がるとカビは不活性化し、増殖を抑えることができます。湿度計などをお部屋に置いておけば水分のコントロールができるので、湿度を過剰に上げすぎないことがカビ対策の近道かもしれません。
まとめ
カビ対策で水分(湿度)をうまくコントロールすることができれば、畳だけでなく住宅内部においてもカビが発生しにくくなります。万が一畳にカビが生えてしまったら被害が拡大しないうちにお近くの畳店までお電話ください。